・・・ラプンツェル・・・　（10/26）

彼女は
いつも

唄ってた・・・


出るコトの
出来ナイ

搭の中・・・


閉じ込められ
自由を取られた


ひとりの少女


彼女は
いつも

歌ってた・・・


ラプンツェル・・・

ラプンツェル・・・


お前の髪をたらしておくれ・・・


閉じ込めた魔女が


今日も呼ぶ・・・


彼女は知らナイ・・・


外の世界が
どんなに

美しいコトも・・・


彼女は気付かない・・・


閉じ込められて
自由を奪われている


コトにさえも・・・


ラプンツェル・・・

ラプンツェル・・・


恋するコトを

禁じられた

何も知らナイ

幼き少女・・・


ラプンツェル・・・

ラプンツェル・・・


お前の髪をたらしておくれ・・・


閉じ込めた魔女が


今日も呼ぶ・・・


何も知らナイ

何も気付かナイ


その姿・・・


まるで今の


ワタシみたい・・・


でも彼女は
恋をした・・・

そして
搭から追い出され


愛した人とも
離された・・・


彼女は罰だと
繰り返し


ひとりで
嘆き苦しんだ・・・


彼女を愛した


彼もまた
魔女に瞳を奪われ

搭から堕とされ
光りと自由を奪われた


けれど
二人は巡り逢い


真実の愛で
彼の瞳と
永遠を勝ち取った・・・


だけど


ワタシは


自分で
自分を


閉じこめた・・・


そして


自分で
自分の


瞳を閉ざした・・・


彼女は魔女から
逃げ出せた・・・


けれど


ワタシは
自分からは


逃げ出せナイ・・・


ラプンツェル・・・

ラプンツェル・・・

お前の髪をたらしておくれ・・・


魔女は今日も繰り返す・・・


ラプンツェル・・・


彼女は魔女に
閉じ込められた・・・


ワタシは自分に
閉じ込められた・・・


ラプンツェル・・・

ラプンツェル・・・

お前の髪をたらしておくれ・・・


ワタシに
呼ぶ声は


聴こえナイ・・・


だって


ワタシが
ワタシを


閉じこめた・・・


コノ物語の

魔女でも

あるのだから・・・